たくさんのデジタル写真が溢れるようになった今において、「エモい!」とリバイバルしているフィルム写真。その中でも手軽にフィルム写真を楽しめるカメラ「写ルンです」。誕生は1986年にまで遡りますが、アプリを使わなくてもオシャレでノスタルジックな感じになるフィルム写真として、いまでもinstagramなどのSNSでも人気です。
今回は「写ルンです」の使い方から現像までを紹介します。
こんな時に写ルンです! おすすめの使い方
旅行に!
写ルンですの重量はなんと90g! スマホだって100gを下回るものは無い中で、こんな軽いカメラがありますか? サイズもポケットに入れておけるような大きさなので、旅行用にもオススメです。
というか、カメラ機能付きの携帯電話が普及する前の小学校の修学旅行なんかでは写ルンですを持ち歩いていたことを思い出すと、やっぱり写ルンですは昔も今も旅行に向いているカメラなんではないかと感じます。
ちなみに先日京都へ行ったときにも写ルンですを持っていき写真を撮りました。
結婚式に!
写ルンですの使い方は、フィルムを巻いてシャッターボタンを押すだけ! シャッタースピードや絞り、ISOなんて色々考える必要なし!(というか、すべて固定で変えられない!) だから、普段カメラを使っていない人でもほとんど迷うことなく撮れてしまうのが「写ルンです」。
そんなお手軽カメラ「写ルンです」は結婚式のテーブルアイテムとしても人気です。
新郎新婦不在の待ち時間に遊べるおもちゃカメラとして。また、ゲスト目線の、プロが撮った写真とはちがった、自然な表情やお茶目な写真が残せるなど、テーブルに写ルンですを置いておくのは色んなメリットがあります。
ゲストのみんなが撮ってくれた写真を現像して見返すと、式中、自分たちが見ていなかったところでも楽しんでもらえてた様子に嬉しくなるものです。
プロも愛用? 作品作りに!
実はプロの写真家も愛用している「写ルンです」。
写ルンですを世界一使う写真家なんて言われているのは、POCARI SWEATの広告を手掛けた奥山由之氏。ファッション雑誌「GINZA」のTwitterでは過去にこんなツイートがありました。
写真家として第一線を走り、映画監督としても活躍する蜷川実花氏も、NIKKEI STYLEのインタビューでこんな発言をされています。
コマーシャルの仕事をするフォトグラファーと、作品を発表していく作家。私の中には写真家として2つの道が存在しています。これはたぶん後者の訓練。いつかは『写ルンです』の写真だけで展覧会をしたり、写真集にしたりしていくんじゃないかなと思います
NIKKEI STYLE 蜷川実花が持ち歩く「写ルンです」 不自由さが楽しい
写ルンですは、ISO感度やシャッタースピード、絞り、焦点距離など色んな要素が固定で変更不可能。ある意味では不自由なカメラ。そんなカメラで撮った作品作りというのも面白そうです。
写ルンですのスペックをあらためておさらい
写ルンですのスペックは以下のとおりです。
フィルム | ISO400 135フィルム |
撮影枚数 | 27枚 |
レンズ | f=32mm F=10 プラスチックレンズ1枚 |
シャッタースピード | 1/140秒 |
撮影距離範囲 | 1m~無限遠 |
フラッシュ | 内蔵(有効撮影距離:1m~3m) パイロットランプ付スライド式フラッシュスイッチ |
寸法 | W 108.0×H 54.0×D 34.0mm |
重量 | 27枚撮:90g |
ちなみに「写ルンです」の語源は“本格カメラでなくてもきれいに写る”ことと、当時の流行語「ルンルン気分」を掛けあわせたもの。「フィルムにレンズを付ける」という逆転の発想のもとに生まれました。そうです、カメラのような見た目をしていますが、実はフィルムであり、「レンズ付きフィルムカメラ」という物になります。
写ルンですの撮影のコツ
晴れの日の屋外で撮る
写ルンですの力が最も発揮されるのは晴れの日の屋外。
デジタルカメラでISO400、シャッタースピード1/140秒、絞りF10に設定してみるとイメージできるかと思いますが、あまり暗い所は得意ではないんですね。なので、写ルンですの独特な写りを存分に味わいたいなら、晴れた日の屋外で撮影するのがオススメ。
といっても、逆光で撮るのは注意です。プラスチック製のレンズなので逆光に弱く、フレアやゴーストが出やすいからです。もちろん、あえてフレアを載せたりして味を出すのもありですが、逆光には弱いことは覚えておいた方が良いかと思います。
肘をピーンと伸ばしたくらいの距離感をとる
写ルンですの撮影範囲距離は「1m~無限遠」。被写体からは1m以上は距離を作らないとピントがうまく合いません。あらかじめ距離感を覚えておかないと、例えばカフェでおしゃれなスイーツを撮ったらピントが合ってなかったなんてことになりかねません。
写ルンですで自撮りをするなら肘をピーンと伸ばして撮りましょうと言われています。つまり、個人差もあるとは思いますが、肘をピーンと伸ばしたくらいの距離感がだいたい1mくらいになるということですね。
あらかじめメジャーなどで1mの距離感がどれくらいなのかを認識しておくと、ピント外れといった失敗を防ぎやすくなるかと思います。
プリントもデータ化も!写ルンですの現像はどこで?
先ほども述べましたが、写ルンですはカメラではなく「レンズ付きフィルムカメラ」であり、要はネガフィルムです。ネガフィルムの現像をしてくれる写真屋さんなら、だいたいどこでも写ルンですの現像対応してもらえます。
すぐに仕上がりを見たい! ということであれば、大手のチェーン店がおすすめ。例えばカメラのキタムラさんに写ルンですを持ち込めば、その日のうちにプリントorデータ化してもらえることもあります。
カメラのキタムラ公式サイト(ネットプリントも対応! フォトブック制作サービスだってあります!)
まとめ(エモい! ナウい! 写ルンです!)
いかがだったでしょうか。デジタルカメラ全盛期にいまさら写ルンですなんて、古い、おもちゃでしょ? なんてまだ思ってませんよね。
デジタルが溢れているからこそ、フィルム写真にどこか味わいを感じられてしまう。それに、フィルムがどんどん生産終了になりつつある今、こんなにお手軽にフィルム写真を楽しめるカメラもそんなに遠くない未来で生産終了してしまうかもしれません。だからこそ、今のうちに「写ルンです」なんです。エモくて、ナウいんです。
まだ写ルンですを試したことがない方へ、ぜひ1度使ってみてはいかがでしょうか。本格的なフィルムカメラ機が無くても、フィルム1本分の値段で、お手軽にフィルム写真を体験できます。
写ルンですの“実験的”な作例はこちら▼