KYOTOGRAPIE 2023 見てきました

Photo & Camera

KYOTO GRAPHIE 2023(京都国際写真祭)を見てきました。
京都という街自体を舞台にした、日本でも数少ない国際的な写真展。これ、行けるならぜひ、現地に行ってみてみてください。感動するから。

予習:KYOTOGRAPHIE(京都国際写真祭)とは

冒頭にも書きましたが、京都の歴史ある街並みを舞台とした、日本でも数少ない国際的な写真展です。およそゴールデンウィークの頃に開催され、京都市内の約20か所(同時期に開催されるKG+を含めると100か所を超えてくる!)の会場で日本や海外の写真家の写真展を見ることができます。

「KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭」は、世界屈指の文化都市・京都を舞台に開催される、日本でも数少ない国際的な写真祭です。一千年の長きにわたって伝統を守りながら、その一方で先端文化の発信地でもあり続けてきた京都。その京都がもっとも美しいといわれる春に開催されます。

KYOTOGRAPHIE 公式Webサイトより

KYOTOGRAPHIEを現地に観に行くことの良さは、「写真」というものの常識を超越してくること。もちろん、白壁に額装された写真が並んでいるような展示もあるのですが、建造物を活かしたものや写真に刺繍を施したもの、写真を折り並べたものなど。とにかく、写真に写っているものだけでなく、その展示方法もぶっ飛んでいるものが多く、好奇心が刺激されるのです。

KYOTOGRAPHIE 2023 で注目したプログラム

PARALLEL WORLD(高木由利子)

二条城入り口で圧倒されたのは、DIORなどのハイブランドの仕事を多数手がけていたファッションフォトグラファー高木由利子さんの展示。

天井から吊るされた巨大で高精細なプリントに目を奪われました。

石膏? へ設置されたプリントもカッコよかったです。

平置や屋外の展示も。入口から出口まで、一連を通してとにかく「カッコイイ」展示でした。

自然 JINEN(山内 悠)

屋久島に9年にわたり何度も通って撮影された写真の展示。蔵での展示ということでしたが、入ってみて、なるほど、ここを展示場所に選んだ理由がわかりました。

約1カ月を森の中で過ごしました。大自然の中で自分の中にある不安や恐怖心に気づき、自然との距離を感じたことからこの旅は始まります。

KYOTOGRAPHIE 公式Webサイト プログラム紹介 より

展示会場はなかなかに狭く、会場のほとんどが光の遮られた暗闇のような空間になっていました。プログラム紹介文のように、不安をかんじてしまう空間。それゆえに、またたくように光る星空の写真にとてつもない美しさを感じました。空間と写真を用いて、作者が体感したであろう屋久島での闇と光が表現されていて、こんな展示方法もあるんだなと驚きました。

WHERE OCEANS MEET(Mabel Poblet)

一見、なにこれ?って思う展示。

これ、写真が折り込まれているんですね。

近づいてみると何かわからないものの、少し離れてみると、見事に水面の揺らめきが表現されたものとして捉えられます。

さらに、写真の対面には鏡が設置されていて、鏡越しに見ることで、作品と自分が一体化したような見え方になるんですね。

マベル・ポブレットはアーティストとして、鑑賞者を旅に連れ出し、まったく新しい展望へと心を開かせるだけでなく、彼女のアートに欠かせない一部として取り込んでいるのです。

KYOTOGRAPHIE 公式Webサイト プログラム紹介 より

紹介にもあるとおり、この展示では鑑賞者である自分自身も作品の一部になってしまうような工夫がどこかに施されています。

心の糸(松村和彦)

今回のKYOTOGRAPIEで見た中で最もメッセージ性を強く感じられた展示がこちらでした。

2025年には約700万人(高齢者の約5人に1人)が認知症になると予測されています。一方で、認知症の症状が具体的にどのようなものか、その実態についてはあまりわかっていない人も多いのではないでしょうか。
写真記者でもある松村和彦は、2017年から認知症の本人・家族・周囲の人々に取材を重ね、それぞれの日々や移ろい、歩みをカメラに捉えています。
本展では、築100年の町家を舞台に、松村の作品とともに認知症の症状を理解し、認知症の世界を体験するような空間構成となっています。

KYOTOGRAPHIE 公式Webサイト プログラム紹介 より

入口から続く「糸」を辿りながら展示を進みます。写真一枚一枚の内容は美しく、展示全体の雰囲気からは寂しさ・悲しさが伝わってきますが、あらためて社会問題について考えさせられる内容です。

最後の写真同士を結び付けた糸の表現には、じーんと涙がでそうになりました。

生命 宇宙の華(山田 学)

この展示は、基本的にはアブストラクトな写真作品が展示されていますが、最後の部分で「よくこの表現をみつけたなー!」と新鮮でした。

で、新鮮と感じたのがこちら。

フラスコに入ったアクリルの破片などをカメラで写しながら、なんと、万華鏡を作り出していたんですね。「なるほどなー!」と驚きました。

Alba’hian(Joana Choumali)

今回のKYOTOGRAPIEのチケットなどのメインイメージにもなっている作品。

写真に刺繍を施すという発想に新鮮さを感じました。実物をみると刺繍がほんとに繊細、きらびやかで美しかったです。(これも実物を見ないと、なかなか伝わらない美しさかと思います。)

まとめ(ぜひ現地へ、そして事前計画はちゃんと)

KYOTOGRAPIEについては、実際の展示を見ることで感動するものが多いと思いますのでぜひ、現地へ行って見てみていただきたいです。

そして、同時開催のKG+の展示も合わせるとその数は100を超えてくるので、どの展示は絶対に見ておきたいか、どのようなルート・時間配分でまわるかといった事前準備も大切だと思います。(長期間滞在できるのであればいいけれど・・・1日で回れるような量ではないです。)

事前準備にあたっては、多くの方がブログやYoutubeなどでレポートを発信していらっしゃるので、それらも参考に。どうぞ!

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