【撮影の基礎知識】フルオートからの脱出! 3つの要素とは?

マニュアルモード Photo & Camera

一眼レフカメラで撮影する時、皆さんはカメラをどんなモードに設定していますか? カメラをはじめて間もない人は、いろんな設定を全自動で行ってくれるフルオートにしている人も多いんじゃないでしょうか。僕も、初めて一眼レフカメラを買ったときは、知識もなく、フルオートでも綺麗に写るので十分満足していました。でも、ある時マニュアルモードの使い方を教わってからは、ほとんどマニュアルでしか撮らなくなりました。自分で設定をいじりながら、思い通りの写真が撮れた時が快感なんですよね。今回はマニュアルモードで撮る時に気になる「シャッタースピード」や「絞り」「ISO感度」について解説します。

フルオート以外の撮影モード

Canon Eos 6D MarkII のモードダイヤル
Canon Eos 6D MarkII のモードダイヤル

まずは撮影モードの種類について簡単に説明しておきますね。カメラメーカーによってモードの表記が少し異なりますが、フルオートを含めて主に5種類のモードがあります。僕はCanonのカメラを使っているので、モードの表記はCanonで使用されているものになります。

A+(インテリジェントオート)
いわゆるフルオートの設定です。シャッターボタンを押すだけで、カメラが全自動でイイ感じの写真を撮ってくれます。

P(プログラム ISO感度のみ手動)
正しくは被写体の明るさに合わせて、シャッタースピードや絞り(F値)が自動になるモードです。僕は覚えやすく、ISO感度のみ手動と認識しています。(ISO感度をAUTO設定にすると、結局全自動になってしまいます。笑)

Tv(Time value シャッタースピードは手動)
シャッタースピードは自分で設定して、絞り(F値)はカメラにお任せするモードです。ちなみに、ISO感度も手動で設定できます。他のモードでも同じですがISO感度は手動で設定できるしAUTO設定にもできます。

Av(Aperture value 絞り(F値)は手動)
絞り(F値)は自分で設定して、シャッタースピードはカメラにお任せするモードです。

M(マニュアル)
全手動。シャッタースピード、絞り(F値)、ISO感度の全てを手動で設定するモードです。ISO感度についてはAUTOにできるので、ここだけ自動にもなります。

「 ISO感度 」を変えてみる

ISO感度の設定

デジタルカメラにおけるISO感度とは、デジタルカメラが光をとらえる能力を表す値のことです。
ISO感度をISO100からISO200に上げると、同じ絞り値(F値)であれば2倍速いシャッタースピードで撮影できます。

ISO感度を上げればシャッタースピードを速くできるため、手ブレや被写体ブレを防ぐことができます。「ならば、いつでもISO感度を上げて撮影すればよいのでは?」と思われるかもしれませんが、ISO感度を上げると写真にざらつきが発生することがあります。

ISO感度は必要に応じて上げるのがオススメです。

「シャッタースピード」を変えてみる

シャッタースピードの設定

シャッタースピードは名前のとおり、シャッターが開いている時間のことです。
1/1000秒よりも1/100秒の方がシャッターが開いている時間が長くなります。1秒の設定なら1秒間、もっと長い間シャッターが開いていることになります。

シャッターの開いている時間が長くなるといことは、取り込める光の量が増えることになるので、撮れる写真は明るいものになります。だけど、動いているものを長い時間写すことになるのでブレにつながるわけです。

シャッタースピードを長くして、あえてブレが生まれるようにすることで、例えばこんな写真が撮れます。

シャッタースピード:1.5秒で撮影

カメラを三脚に据えて、川の流れだけを絹のようにサラサラとした質感で表現した写真です。

シャッタースピードの設定をかえることで、人の目では見られない表現をすることが可能になります。

「絞り(F値)」を変えてみる

絞り(F値)の設定

スマホやコンデジからのステップアップとして一眼レフやミラーレスカメラを購入する人の中には、「一眼レフで撮った写真は、背景を大きくボカした写真を撮りたいから」と考える人も多いんじゃないでしょうか。僕もそうでした。

その「ボケ」に関係するのが「絞り(F値)」です。
F値22よりもF値1.8の方がうんとボケて明るくなります。

F値1.8で撮った写真。雑草が生い茂っていた背景がボケボケですね。

F値の数字が小さい方とレンズの中の羽が大きく開き、逆に数字が大きくなるとレンズの中の羽はギュッと絞られます。なかなかイメージし辛いと思いますが、人の目と仕組みは同じで、ぼやけて見にくいものを、目を細めることで輪郭をはっきり見ることができますよね。この仕組みと同じです。
また、「絞りを開放に!」という言葉を聞いたことがあるかもしれませんが、これは「F値の数字を小さく!」っていう意味です。

3つのバランス(何を生かして何を犠牲にするか)

3つの組み合わせ

マニュアルモードで撮る時って、もっと色々設定しなくちゃいけないと思われがちですが、基本となるのは「ISO感度」「シャッタースピード」「絞り(F値)」の3つの要素だけです。

でも、この3要素だけでも、慣れるまでは混乱すると思います。
僕も最初はよく混乱していましたので、以下の順番でゆっくり考えながら撮ることが多かったです。

□ どれくらいのボケ感が好みか・・・F値を設定
□ どれくらいブレさせたくないか・・・シャッタースピードを設定(基本は1/125秒にしておく)
□ どれくらい明るさを足したいか・・・ISO感度の数字を増やす(基本は一番小さい数字にしておく)

※シャッタースピードを1/125秒にしているのは、手持ち撮影の時にブレがほとんど起きない、自分にとって合う数字だからです。この基準は個人差があると思うので、手持ちでブレない限界の数字を知っておくの良いと思います。

それぞれの要素を理解して生かせるようになると、写真撮影はもっと楽しくなると思います。ぜひこの機会にチャレンジしてみてくださいね。

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