写真の構図とは? 結局、気持ちいいと感じられるかどうか

Photo & Camera

今回は構図の話。自分の中でも正解というようなものが定まってないのですが、構図に対するとりあえずの自分の考え方をお伝えします。

とりあえず王道の構図

「構図」なんてまったく聞いたことがない! といった方に向けて、まずは王道と言われている2種類の構図を紹介します。「3分割構図」と「日の丸構図」です。(他にも「S字構図」「対角線構図」「三角構図」など色々ありますが、それらの紹介は今回伝えたい主旨からはずれてしまうので控えます。)

3分割構図

画面を縦横3分割した構図です。分割した線や交点に被写体を配置します。こんな感じ。

3分割構図
3分割構図作例

日の丸構図

日本らしいネーミングが良いですよね。その名前のとおり、日本国旗みたく画面の中心に被写体を配置する構図です。こんな感じ。

日の丸構図
日の丸構図作例

構図に沿った写真は良い写真なのか?

とりあえず、王道の構図を2種類紹介しました。ここで考えてみてほしいのは「3分割構図だから良い写真なのか?」ということ。それは違うと思います。
「構図に沿った写真は良い写真である」なんて定義をしてしまったら、この写真はとてもよい写真ということになります。本当に良い写真ですか?

この写真が3分割構図になっているのは、空と山並み&湖面の色の移り変わりを伝えたいからです。
湖面に浮かぶ水中木の背景は夕焼け空。上部の空の濃紺と下部の湖面の濃紺の間を、夕焼け色がグラデーションを描いているのが美しくて撮影しました。このグラデーションを気持ちよく表現するための構図として「3分割構図」を選択しました。

構図について知っておくと良いことは、画面構成に迷ったときに一つの判断材料になる点です。
目の前にある風景をどう撮るか。3分割構図で撮ってみるとどうか。日の丸構図ではどうか。色々試して、自分がしっくりくる構図を作品として仕上げれば良いと思います。

気持ちのいい構図を探る

この写真は、広大な麦畑を1台のトラクターが砂煙をあげながら麦を刈り取っている様子がカッコよくて撮影しました。麦畑を前面に広がりをみせ、トラクターを小さめにポツンと日の丸構図にすることで、大きさの対比を試みました。

こちらの写真は、S字を描くように、湖上に家々が浮かんでいる様子に目を引かれたので、そのまんまS字構図で撮影しました。

構図については、僕もまだまだ練習中ですが「S字構図だから良い。日の丸構図はギミックがない」なんてことはなく、構図そのものには大きな意味も正解もないと思っています。

ただ、 「3分割構図」や「日の丸構図」などの構図の型として仕上がっているものは、長年の芸術史の中で取り入れられてきたもので、それは多くのひとにとって「しっくりくるもの」なんだと思います。

だからカメラを構えるときは構図の型に縛られすぎず、でも「しっくりくるな、心地よいな、安定するな、バシッと気持ちがいいな」そして「これなら自分の意図が伝えられる」という構図を探りながら撮影するのが良いのかなと考えます。その中で、思い通りのフレーミングや画面整理も上達していくのではないかなと。

今回の結論:正しい構図=気持ちのいい構図

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