その写真集を購入してから約10年近く経つけれど、いまもたびたび読み返しては心が満たされる写真集が森友治さんの「ダカフェ日記」シリーズです。
一眼レフカメラを買ってから間もなくして知ったこの写真集(最初はブログで知りました)。今では風景写真を多く撮るようになりましたが、当時は、こんな風に日常を大切に切り撮っていきたいなと思っていました。
今回は僕の写真の原点? とも言える写真集「ダカフェ日記」について紹介します。
ダカフェ日記とは?
著者は森 友治さん。森さんは写真家ではなくグラフィックデザインを生業とする傍らで、家族との日常を写した写真ブログ「ダカフェ日記」を公開し大ヒット。日本ブログ大賞2006を受賞し、書籍化されたのがこの写真集です。
1冊目の「ダカフェ日記」から「続 ダカフェ日記」、「続々 ダカフェ日記」と3冊の書籍が出版されています。
平々で凡々な日々をたんたんと記録しています。 とんと出不精ですので家か近所しか写りません。 毎日が流されるまま、明日も明後日も どうぞゆるやかに流れますようにと祈りつつ。
と、本の冒頭にあるように、どこにでもありそうな家族との日常の風景が掲載されています。
しかし、写し撮られているのは、作りかけのサラダをこぼしてしまった妻の様子、叱られてすねる娘、変な格好で昼寝をする息子など、ついつい見逃してしまいそうな日々の一瞬。森さんが家族との時間を本当に大切にされているのだなと感じることができます。
また、写真ひとつひとつに付けられたコメントが絶妙で、クスっと笑えるものばかり。
さらに「2002年10月21日(月)」というように日付も添えられていることで、日を追うごとに子どもたちの成長を一緒に追体験することもできます。
ちなみに、今もたまに更新される(最近ではインスタ(@moriponbai)での更新)ダカフェ日記を見ると、「子どもたち、大きくなったなぁ」なんて親戚のような気分にもなってしまいます。
ダカフェ日記のような写真を撮るための機材と撮影設定
ダカフェ日記の魅力の一つは、写真に添えられた日付やコメントで何気ない日常を特別感あるものに昇華させる編集方法ですが、もちろん写真はどれも魅力的です。
ダカフェ日記に載っている写真の魅力は、ボケ感と色味から感じられる“ぬくもり”だと思います。
森さんが使っている機材や撮影時の設定については、過去にブログ内で紹介されていました。(今はみあたりません。)
カメラとレンズ
写真集に写っている機材は、カメラ本体が「Canon Eos 5D」でレンズは「Canon EF 50mm F1.4 USM」です。
写真のとろけるようなボケ感はF1.4の単焦点レンズが生み出しているんですね。
ちなみに通称「ダカフェレンズ」と呼ばれるレンズはご存じですか? 「SIGMA 30mm F1.4 DC HSM」のことで、比較的安価ながらもF1.4の開放値を持ち、ダカフェ日記のような写真が撮れる単焦点レンズとして人気を博しました。
撮影時の設定や撮り方
過去にブログで紹介されていた内容です。
1.ピクチャースタイルはポートレート。色の濃さ-1、色合い+2に変更。 2.ホワイトバランスは自然光では「晴れ」。室内照明の場合は「オート」にする。 3.絞り優先オート「Av」に。 4.フラッシュは発行禁止に設定。 5.ISOは400〜800くらい。 6.レンズの絞りをf1.4~f1.8にし、できるだけ背景をぼかす。 7.カシャカシャカシャっと連射で撮る。 8.液晶で写真を確認して「ちょっと暗いな」と感じたら、露出補正で「+1」にして再度撮影。
また、撮影時のポイントは「自然光を横から当てる」こと。室内の窓の近くで柔らかい光(直射日光ではなく、レースのカーテンなどを使う)が横から当たるようにする。
さらに、「低く構える」こと。腰を落として、子どもや犬の目の高さでカメラを構えるだけで、臨場感が出ると紹介されています。
まとめ(良い家族写真の撮り方を学ぶこともできる写真集)
まるで、家族写真アルバムのような写真集「ダカフェ日記」。この写真集は、良い家族写真の撮り方・まとめ方を学べるものでもあります。
この写真集やブログを見たことがある人は、一度はこんな写真を撮ることに憧れたひとも多いのではないでしょうか。(僕も憧れて森さんと同じ設定で撮ることにハマっていた人です。)
初版から15年以上が経ちますが、いま見返しても飽きずにページをめくってしまいます。
まだ見たことがない人も、一度見るとハマってしまうでしょう。
本自体もぬくもりある装丁で素敵なので、ぜひ本の写真集を手に取ってみていただきたいのですが、「買うのはなかなか…」という人も、ブログは覗いてみてもらいたい超オススメの写真集の紹介でした。