シノゴカメラ(大判カメラ)撮影体験記

Photo & Camera

自分がこんな機材を触る日が来るとは思ってもいませんでした。

35mmフィルムカメラともまったく感覚が異なる大判カメラ4×5(シノゴ)。知り合いの方に、昔使っていたシノゴカメラが倉庫に眠っているから興味があるなら貸すよと言ってもらい、思ってもみない機会を得ることができました。

今回は、もはやマニアックともいえる貴重な体験ができたのでその感想を綴ります。

大判カメラとは

そもそも大判カメラとは?

一般的には「シートフィルムを使う大型のカメラ」を指します。

ちなみにwikipediaでも以下のように記載されています。

大判カメラ(おおばんカメラ)とは4×5インチ(102×127mm)以上のシートフィルム(カットフィルム)を使用するカメラの総称である。

フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

ちなみに、シートフィルムとはその名のとおり「シート状のフィルム」のこと。35mmフィルムのようにロール状になっておらず、一枚一枚シート状になっています。1回の撮影に1枚のフィルム、1枚撮ってはフィルムを入れ替えて・・・といった撮影スタイルになります。

大判カメラの特徴

圧倒的高画質

大判カメラに使うシートフィルムは、35mmフィルムに比べると圧倒的に大面積です。

4×5フィルム(120mm×95mm)と35mmフィルム(36mm×24mm)を比較すると、その差は約13倍!

面積が大きいということは、その分、画質も良くなる。つまり、4×5フィルムは35mmフィルムよりもうんと高画質なわけです。35mmフィルムの画素数は一般的に1000万画素程度と言われているので、4×5フィルムはその13倍の約1億3000万画素となります。およその計算ではありますが、めちゃくちゃ高画質であることが分かるかと思います。

アオリ撮影ができる

「アオリ」と言われる特殊な撮影ができるのも大判カメラの特長です。

アオリ撮影とは、レンズ面とフィルム面の相対位置を変化させて撮影すること。絞りはそのままに手前から奥まで広い範囲にピントを合わせられたり、逆にピント範囲を狭くして撮れたり。遠近感のパースを整えたりすることも可能です。

アオリ撮影で、絞りはそのままに、手前から奥まで全体にピントを合わせて撮ることができます。
パースを整えて撮ることもできます。

撮影から現像、プリントまで

撮影から現像、プリントまではざっと以下のような流れです。

1.フィルムホルダーにフィルムを装填
2.カメラをセットして撮影
3.フィルムホルダーごと現像所に持ち込み現像&プリント
1.暗所で手の感覚だけでフィルムを装填

まず最初に、シートフィルムをフィルムホルダーに装填します。パトローネにフイルムが入っている35mmフイルムと違い、4×5カメラなどのシートフィルムの場合は1枚ずつが裸になっています。フィルムに少しでも光が当たってしまうとフィルムが使えなくなってしまうので、フィルムの装填は光の入らない暗所で行う必要があります。

ダークバッグ(チェンジバッグ)を使う方法もありますが、僕は光の入らない自宅のトイレ内で電気を消してフィルム装填をしました。とにかく真っ暗なところで行えばよいわけです。

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これがフィルムホルダー。
本体と遮光板の間にフィルムを入れます。
フィルムの片隅には「ノッチ」と言われるギザギザがあります。
ノッチが右下にくるように、乳剤面に触れないように指先でつまみます。
遮光板を1/3程度引き抜いて(引き抜き過ぎない!)、左手をガイドに沿わせておくと装填しやすいです。
ガイド部分。

ちなみに遮光板のフチは黒い面と白い面があります。一般的には撮影前は白い面を表側にし、撮影後(フィルム使用後)は黒い面を表側にします。こうしてフィルムが使用済みがどうかを判別します。

2.いざ撮影!自分の眼を信じつつ!ファインダーを覗き込めば大画面の反転映像に感動!

三脚を立て、シノゴカメラを据えたらいざ撮影!

ファインダーを覗くと像が上下反転して写り、また、デジタルカメラのように自動でピントを合わせることもできなければ、画面を拡大して詳細に見ることもできません。(ルーペを使い拡大して見ることはあります。)デジタルカメラに慣れていると、このあたりに大きな違和感(不便さ)を感じるはず。

上下反転したファインダーを見ながらの構図作りは難しいので、ファインダーを覗かず、生の風景を見ながら構図を考える。写真に写る画角をイメージしながら自分の眼を信じて、構図を組み立てていくのが撮る時のポイントかと思います。

また露出設定が難しいのもデジタルカメラとの違いです。露出計があればそれを使えばよいと思いますが、露出計も高価ですからね。今では、スマホで露出計アプリなんかもありますので、それを使ってもよいと思います。他にも、露出を測るためにデジタルカメラであらかじめ1枚撮ってみて、そのシャッタースピードや絞りと同じ設定にするのもありです。

大画面のファインダーを覗くと、まるでミニシアター。目の前の風景が映画に映し出されたような感覚に感動します。

絞り、構図、シャッタースピード、すべての設定が整ったら、カメラの背面にフィルムホルダーごとフィルムを差し込み、フィルムホルダーの遮光板を引き抜き、シャッターをきります。

3.フィルムホルダーごと現像所に持ち込み現像&プリント!価格感は?

撮影後はフィルムホルダーにフィルムを入れたまま、フィルムホルダーごと現像所に持ち込みます。(ホルダーからフィルムを出してしまうと光が当たって、せっかく撮った写真が台無しになってしまいますからね。)

今回は近所の写真屋さん(個人店)に持ち込みました。そのお店では現像注文を受け付けてはくれるものの、実際には東京にあるフジフィルムの現像所に外部委託するようです。
ちなみに気になる価格はこんな感じでした。

フィルム現像料金2Lサイズプリント料金合計
627円(税込)/枚770円(税込)/枚1397円(税込)/枚
今回現像したのはリバーサルフィルムです。ネガフィルムだと現像料金はもう少し下がります。

ちなみに大手写真屋さんの「カメラのキタムラ」では、同じ4×5リバーサルフィルムの現像料金が404円(税込)/枚となっていました。いずれにせよ、高価であることは否めませんね・・・

カメラのキタムラ おすすめネットプリントサービス

さて、今回現像してもらったフィルムですが、リバーサル(ポジ)ということもあって、フィルムのままでも光に透かすと色が反転せず撮影したそのままの色・明るさで見ることができます。それが4×5のサイズともなるとインパクトはなかなかのもの。まるで、大きい宝石のような1枚に感動しました。

透き通った写りがなんともたまらないんですよね。まるで宝石のような1枚のフィルムにうっとりしてしまいます。

まとめ(一枚の写真をじっくりと撮る楽しさ)

デジタルカメラなら無料で何枚も撮れることを考えると、大判フィルムで撮るって本当に手間。たった1枚の写真を撮るためにお金も時間もかかってしまう。デジタルと比べると非効率的ですよね…

だけど、1枚の写真をじーっくりと撮る、そのプロセスはとても味わい深く、撮れた1枚にもとっても愛着が湧くなという印象です。デジタルに慣れているとなおさらこの感覚は強くなるんじゃないかな。

興味の湧いた方、もしも機会があれば、ぜひ大判フィルムカメラを触ってみてください。オールドな道具を触っているのに、きっと新鮮な感覚を味わえると思いますよ。

▼今回使ったフィルムはこちら

▼今回使ったシノゴカメラはこちら

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