日本の最高峰として誰もが知る富士山。「富士山は登る山じゃなくて、見る山だよ」なんて声も多く聞かれるが、それでも人生の中で一度は日本の最高峰に立ってみたいという思いから、ようやく富士山を登頂した。
今回は富士登山において利用した登山ルート、持ち物、登頂を成功させるために注意したことなどをお伝えします。いつかは富士山に登ってみたいというひとの参考になれば嬉しいです。
写真で振り返る富士登山
第5の登山道? プリンスルートとは
富士山頂を目指すためのルートとして有名なのは「吉田ルート」「須走ルート」「御殿場ルート」「富士宮ルート」の4つだが、富士宮ルートから始まり御殿場ルートへ抜ける「プリンスルート」という道がある。
「プリンスルート」という名前は、天皇 徳仁様が皇太子時代に初登頂された際に利用されたことに由来。
富士宮5合目登山口から登りはじめ、途中6合目で宝永山経由で富士山を横断、御殿場ルートに合流して山頂を目指します。いちばんのロングルートとされる御殿場ルートのショートカット、宝永山の火口めぐりや大砂走の体験、人の混雑回避(御殿場ルートは比較的利用者が少ないとされている)など、「富士宮ルート」と「御殿場ルート」の良いとこ取りができるルートです。
富士山に持っていったもの全て
富士山は山小屋が充実していることから、水分はあまり多く持っていきませんでした。たくさんの荷物を背負って体力を消耗させるより、少しでも身軽になって、山小屋で定期的に補給すればよいと考えたからです。500mlの水が1本500円と高額ではありますが…
=メインリュック内(リュック容量35L)= トレッキングポール プラティパス 1.8L ペットボトル水 500ml カメラ6dm2 レンズ24-105 レンズ40 レリーズ 予備バッテリー×1 ピークデザインストラップ ゴミ袋(45L、10L) タオル×1 ゲイター メリノウールインナー 防水ソックス 下着×1 登山靴下×1 Tシャツ×1 アウター(Arc'teryx アトム LT フーディ) ウインドブレーカー(patagonia) ソフトシェル(ワークマン イナレム) サンダル ←山小屋宿泊時に利用をと思ったが、山小屋でサンダル貸出があったので不要でした。 手袋 ヘッドライト Anker 充電器 トイレットペーパー エマージェンシーブランケット 携帯トイレ 歯ブラシ(歯磨き粉付着済みのもの) 爪切りセット 割り箸 耳栓 ←山小屋宿泊時にあると便利。他の人の物音が気にならなくなる。 ハッカ油 絆創膏 マスク ポケットティッシュ 腹薬 ロキソニン(EVE) リップクリーム ポイズンリムーバー =サブバック内(ポシェット)= 現金 サングラス 腕時計(チープカシオ) 手拭い レインコート(透明の使い捨て雨合羽) ウェットシート ボディーシート 日焼け止めクリーム K&Fスマホ用三脚 行動食、お菓子、おにぎり、菓子パンなど
持って行ったほうが良い道具のひとつがゲイターです。これはぜひ持って行ってほしい。持っていない場合は安いもので良いのでぜひ購入してみてください。富士山の登山道はほとんどが砂地。雨が降っていないとしてもゲイターを装着することで、砂が靴へ侵入することを防いでくれます。
御殿場ルートの大砂走をやりたいと思うのであれば、ゲイターが必須です! また、膝したくらいまで覆ってくれる長めのゲイターがオススメです。
舐めるな危険! 登頂するために注意したこと
低山でもいいから登山の練習をしておく
ほとんど登山をしたことが無いのにいきなり富士山に登るというのは、ちょっと危険かと思います。1,000mを超えるくらいの低山でも良いので、事前にいくつかの登山経験を積んでおいた方が良いです。
ちなみに滋賀県の伊吹山は登山口から山頂までの行程や登山時間などが近しいことからミニ富士と言われていて、富士登山の練習に良い山です。伊吹山を登りきることができれば富士山にも登れると聞いたことがありますが、確かにそうかもしれないと実感しています。
富士山というと3,000mを超える世界なので、何かあってもすぐに降りて帰ってくることもできません。事前にいくつかの登山経験を積むことで、そもそも山に登るときに注意すべきことや、自身の体力レベルなんかもわかると思いますので練習しておくことを勧めます。
疲れないこと(高山病対策)
登山中においても、登山前においても意識していたことです。「仕事が忙しく残業してしまい一睡もせずに登ることになりました」なんていうのは危険です。かなりの確率で高山病になることでしょう。
富士山を登って感じたのは、ゆっくりでもちゃんと前に進むことができれば、登れるということ。そして怖いのが高山病。高山病になる原因として疲れや呼吸の乱れがあるとされています。そのために疲れてしまわないことを常に意識していました。
とにかく疲れないように、一歩ずつ落ち着いて自分のペースで歩いていく。呼吸が乱れてきたら一息いれて整える。前日からちゃんと休養をとり疲れ切った状態で登山を開始しないこと。このあたりのことが大切です。
また高山病対策として、「高地順応」もお忘れなく。多くの人がシャトルバスを使って富士山の5合目に行きそこから登山を始めると思います。これが実は身体に大きな負担で、いきなり2,000m超の場所につれてこられた身体は順応できていません。バスから降りたら、登山口付近で最低でも1時間程度ゆっくりと過ごすことで、身体が高地に順応し高山病になるリスクを下げられるとされています。
まとめ(人生で一度は登ってみたい日本最高峰)
冒頭でも「富士山は登る山じゃなくて、見る山だよ」と言われることがあると書きましたが、登ってみて、確かにその言葉の意味も分かるような気がしました。
でも、日本最高峰の地に立てたという達成感はこの上ないものがありますし、富士山から見た日の出も美しく感動的でした。人生に一度、登ってみて良かったと思える山でした。